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絵画の種類を紹介|表現技法とテーマによって異なる
- 絵画にはどのような種類があるのか知りたい
- 絵画の表現技法によってどのように変わるのか知りたい
- 描くテーマによっても絵画の種類は変わるの?
上記のようなお悩みについてお答えします。
絵画とひと口にいっても、さまざまな種類があります。
同じ絵画のなかでも表現技法が変われば、絵の印象はまったく異なります。
絵画の種類を知っておくことで、描きたい絵の方向性を決めるのに役立つでしょう。
そこで今回は、絵画の主な種類についてわかりやすく解説します。
絵画の表現技法による8種類
絵画は長い歴史のなかで数多くの技法が誕生し、画家によって試行錯誤されてきました。
こちらでは絵画の主要な8種類について紹介します。
日本画
日本画とは、日本独自の技法で描かれる伝統的な絵画です。
主に岩絵具、貝殻を砕いた胡粉、染料などの天然絵具を用いて描かれます。
油彩画を指す洋画に対する用語として、「日本画」と呼ばれています。
日本的な主題を扱い、細やかに描き込まれる繊細なタッチで華やかな印象の絵画です。
油彩画(油絵)
油彩画(油絵)は、油絵具を用いて描かれた絵画です。
15世紀に確立され、有名な名画にも油彩で描かれた作品が多く残されています。
油絵具は水ではなく油で溶いて使い、乾燥するまでに時間がかかります。
高い透明性があり、塗り重ねることで重厚な表現ができるのが特徴です。
アクリル画
アクリル画は、アクリル絵の具を用いて描かれる絵画です。
もともと壁画用に開発された比較的新しい画材で、耐久性があります。
水で溶いて使うことができ、乾燥も速く、乾くと耐水性になります。
定着が強いため、キャンバスや紙のほか、石・布・プラスチック・ガラスなどさまざまな支持体に描くことが可能です。
油絵や水彩画のような幅広い表現に対応し、使い勝手の良い画材といえます。
アクリル絵の具については、以下の記事で詳しくまとめています。
水彩画
水彩画は小学校などでも使われるため、馴染みのある絵具といえるでしょう。
水で溶いて使うことができ、透明水彩と不透明水彩の2種類があります。
絵具と水の量によって、「にじみ」や「ぼかし」などのさまざまな技法を使えます。
なお、画用紙などは水でふやけてしまうため、水に強い水彩紙を用います。
水彩画は、瑞々しい表現をつくれるのが魅力です。
パステル画
パステル画は、顔料をスティック状に固めたパステルで描かれた絵画です。
パステル調という言葉があるように、明るくふんわりとした華やかな表現が魅力です。
もともと粉末を固めたパステルは定着が弱いため、フィキサチーフなどの定着材を使います。
絵画のほか、デッサンや下描きなどに利用される場合もあります。
水墨画
水墨画は、墨で描かれた絵画です。
中国で成立した技法で、鎌倉時代に禅とともに日本に伝わったといわれています。
墨の濃淡やにじみ、ぼかしなどの技法を用いて、豊かに表現されるのが特徴です。
なかには、墨で描かれたものに彩色されたものもあります。
ペン画
ペン画は、基本的にインクとペンを用いて描かれる絵画です。
マンガやイラストレーション、挿絵を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
太さの異なるペンを使って細かな描写や、緻密な描き込みができるのも魅力のひとつです。
また、シンプルな分、描写力や表現力などが求められるともいえます。
絵画では素描にも使われ、葦ペンや羽根ペン、竹ペンなどもあります。
版画
版画とは板や銅などに細工を施して版をつくり、紙に転写する技法です。
版画の技法には主に、凸版画・凹版画・平版画・孔版画の4種類があります。
また、扱う版面によって、木版画・銅版画・版画・シルクスクリーンに分類されます。
原画は1枚限りですが、版をつくることにより複数枚の絵画を刷ることが可能です。
あらかじめ刷る枚数を決めておき、作者によってエディションナンバーを署名することで希少性を担保できます。
絵画のテーマによる5種類
絵画は描く対象となるテーマによっても種類が変わります。
一般的に風景や花などの絵は、人気が高い傾向があります。
風景画
風景画は山や海、街並みなどの風景をテーマにした絵画です。
海をテーマにした絵は海景画、街並みをテーマにした絵は街景画とも呼ばれます。
西洋美術では人物画が中心であり、風景は単なる背景として扱われていました。
17世紀のオランダで風景画が飾られるようになり、19世紀に自然主義が主流となってから室外で描くようになります。
風景画は描かれる風景によって幼少の頃を懐かしんだり、見たことのない異国の情景を楽しめたりするのが魅力です。
肖像画(人物画)
肖像画とは、特定の人物を描いた絵画です。
歴史は古く、王侯などの肖像では理想化された人物像として描かれることも多々あります。
一般人の肖像画としては、ローマ帝国治下のエジプトの葬儀用に描かれたものが残されています。
また、画家が自分自身を描く自画像(セルフ・ポートレイト)も肖像画のひとつです。
静物画
静物画は静止した花や果物などの自然物や、料理や瓶などの人工物を題材にした絵画です。
対象物は画家が自由に選定し、配列することで構図をつくります。
また、静物画には「ヴァニタス」と呼ばれる画題があり、ロウソクや懐中時計、頭蓋骨などを描き、「儚さ」や「虚しさ」を表現するものもあります。
静物画の対象物は幅広いため、ひとつの画面のなかで多彩な表現ができる絵画ともいえるでしょう。
歴史画
歴史画は、歴史上の事件や神話などを主題に描いた絵画です。
古代では権力者が戦闘の勝利を祝うために描かれ、戦勝を誇示していました。
宗教や神話を含める歴史画は、西洋では肖像画や静物画を押さえて、もっとも重要な絵画として位置付けられていました。
日本においても平安時代から題材にされており、明治時代の日本画に至るまで数多く描かれています。
歴史画は高い技術力はもちろん、歴史や宗教、神話などについての詳しい知識も必要になるのが特徴です。
宗教画
宗教画は、宗教に関する人物や事象を描いた絵画です。
ギリシャ神話やキリスト教について描かれた宗教画はとくに多く、見たことがある人も多いでしょう。
宗教画は宗教を布教するためのものなので、読み書きのできない庶民へ向けて描かれることもありました。
画家は貴族や権力者から依頼を受け、意向に沿った内容で制作されるのが特徴です。
まとめ
今回は、絵画の種類について解説しました。
絵画は長い歴史を持っており、時代や場所によってさまざま表現技法やテーマを扱って描かれました。
以下に主だった絵画の種類をまとめたので、もう一度確認しておきましょう。
- 日本画
- 油彩画
- アクリル画
- 水彩画
- パステル画
- 水墨画
- ペン画
- 版画
- 風景画
- 肖像画
- 静物画
- 歴史画
- 宗教画
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
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