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木版画とは?代表的な作家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】
- 木版画について簡単に知りたい
- 木版画が登場した背景や歴史が知りたい
- 木版画の代表的な作家や作品を知りたい
上記のようなお悩みについてお答えします。
美術の分野では、「木版画」という用語をよく見聞きします。
彫刻刀などで木を彫って描くものだということは知っているけれど詳しくはわからない、という人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、木版画についてわかりやすく解説します。
この記事を読むことで木版画の理解を深められ、より一層アートを楽しめるようになります。
木版画とは
木版画とは、木製の原版を彫刻刀などで削って作られる凸版画です。
絵柄を彫り残した凸部にインクを乗せ、上から紙を置いてバレンで圧力をかけて転写します。
木版画の歴史は古く、最古の木版画は860年代に中国の敦煌で制作された仏画といわれています。
日本では8世紀ごろに伝来し、慶長期に京都の角倉素庵が出版した嵯峨本に初めて版画挿絵が入れられました。
木版技術が挿絵に使われるようになったことで独自の発展を遂げ、江戸時代の浮世絵版画へとつながっていきます。
西洋では、14世紀末から木版による宗教画などが制作されていました。
15世紀にグーテンブルグによって印刷機が発明されると、刷毛の着色からプレスに変わり、木版は銅板へと置き換えられ、東洋とは異なる発展を遂げていきました。
木版画の特徴
木版画は木製の原版を彫刻刀で直接削り、絵柄を凹凸で作り出すことが特徴です。
出版拠点が京都から江戸に移ったことにより、挿絵だけでなく鑑賞するための1枚絵が登場します。
1枚絵は菱川師宣による墨摺絵から始まり、複数の版木を用いた多色摺りへと進化して浮世絵版画が大成します。
下絵を描く絵師、板木を彫る彫り師、和紙に写し取る摺り師と、工程ごとに専門の職人が担当する分業が行われました。
分業体制によって、世界的にも高度な技術で多数の版をつくることが可能になったのです。
なお、分業による木版画の製作は現代にまで受け継がれています。
日本教育では、一般的に小学4年生から木版画の指導が行われ、現在でも版画の魅力が伝えられています。
木版画の代表的な作家や作品
木版画の代表的な作家や作品について紹介します。
菱川師宣
菱川師宣は、江戸時代の絵師です。
それまで本の挿絵でしかなかった版画を、1枚の絵画作品へと昇華させました。
その功績から「浮世絵の祖」と呼ばれることもあります。
師宣の描く美人画は人気で、浮世絵版画だけでなく肉筆浮世絵も描いています。
菱川師宣を代表作品である「見返り美人図」は、世界的にも有名な肉筆浮世絵です。
歌川広重
歌川広重は、江戸時代の浮世絵師です。
風景を描いた木版画で人気を博し、「東海道五十三次」や「江戸各所」を描いたシリーズがとくに有名です。
広重の使う青色は「シロシゲブルー」ともいわれ、印象派の画家たちにも大きな影響を与えています。
とくにゴッホは、広重の浮世絵版画を何枚も模写しています。
葛飾北斎
葛飾北斎は、江戸時代後期の浮世絵師です。
生き物、風景、架空生物、自然現象などの森羅万象を描き、生涯に3万点を超える作品を発表しています。
生涯で30回以上画号を変えたことでも有名で、葛飾北斎の画号で活動したのは1805年から1809年といわれています。
北斎の画業はジャポニスムブームを巻き起こし、世界中の芸術家に多大な影響を与えています。
1998年にアメリカの老舗雑誌「ライフ」にて、「この1000年間で最も偉大な業績をあげた世界の100人」に日本人として唯一ランクインしています。
まとめ
今回は、木版画について紹介しました。
木版画は長い歴史を持つ技法で、とくに浮世絵版画が有名です。
海外ジャポニスムブームを巻き起こし、多くの芸術家たちに影響を与えました。
木版画は小学校の授業にも取り入れられているため、身近に楽しめるアートともいえますね。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
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