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ゴシック美術とは?代表的な作家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】
- ゴシック美術について簡単に知りたい
- ゴシック美術が登場した背景が知りたい
- ゴシック美術の代表的な作品を知りたい
上記のようなお悩みについてお答えします。
美術史にはさまざまな用語が登場しますが、そのなかに「ゴシック美術」というものがあります。
「ゴシック」は建築や文学の分野でも使われる用語なので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
また、「ゴスロリ(ゴシック・ロリータ)」という言葉もありますが、美術のゴシックとは少し意味合いが異なります。
そこで今回は、ゴシック美術についてわかりやすく解説します。
この記事を読むことでゴシック美術の理解が深まり、アートをより一層楽しめるようになります。
ゴシック美術とは
ゴシック美術は中世美術の最後を飾る様式で、12世紀半ばから15世紀にかけてフランスを中心にヨーロッパへと広がりました。
宗教的な要素の強いビザンティン様式から逸脱し、人間的・装飾的な表現や世俗的主題への関心を高め、国際ゴシック様式へと発展していきます。
「ゴシック」はもともと建築様式に使われていた言葉で、ゲルマン民族のゴート族に由来し、「野蛮な」といった意味合いがあります。
ルネサンス期の人々は、過去の遺物に対して侮蔑の意味を込めて「ゴシック」という言葉を用いました。
彼らは古代ギリシャ・ローマ美術を理想としていたため、理想から離れたゴシック美術を不格好なものだと見なしていたのです。
18世紀にはゴシックが栄えた中世美術は暗黒時代と位置付けられ、暗さや奇怪さを示していきます。
19世紀に入ると「フランケンシュタインの怪物」や「吸血鬼」といった文学や、ロックジャンルの「ゴス」が誕生するなど、ゴシックブームが起こります。
日本のサブカルチャーやファッションの「ゴスロリ」も、これらが起因となって派生したものです。
ゴシック美術の特徴
ゴシック美術は先行していた象徴的・抽象的なロマネスク美術に対して、人間的・写実的に表現するのが特徴です。
絵画表現では、それ以前の精神性に注力した宗教画から、奥行きや立体感などリアリティを追究した自然な表現になっていきます。
また、「ゴシック」は本来建築様式に使われていた言葉であり、建築や彫刻に大きな特性が見られます。
建築では「尖塔アーチ」「リヴ・ヴォールト」「フライング・バットレス」という3つの構造が開発されました。
これらの革新によって荷重を横に逃がせるようになり、アーチ状で天井が高く、大きな開口部やステンドグラスなどを備えた建築物が造られていきます。
ゴシック美術の代表的な絵画や建築物
ゴシック美術の代表的な絵画や建築物を紹介します。
ジョット・ディ・ボンドーネ
ジョット・ディ・ボンドーネは、ゴシック美術を代表するイタリアの画家・建築家です。
ジオットとも呼ばれ、イタリア・ルネサンスを先駆した偉大な芸術家と位置付けられています。
人間的・写実的な革新的な描画方法を確立し、「西洋絵画の父」ともいわれます。
フィレンチェの巨匠チマブーエは、自分の作品にジョットが描き加えたハエを本物と勘違いして何度も払おうとしたというエピソードがあります。
こうしたジョットのエピソードは、伝記作家のジョルジョ・ヴァザーリの著作に記されていますが、真偽のほどは不明とされています。
チマブーエ(チェンニ・ディ・ペーポ)
チェンニ・ディ・ペーポは、ゴシック様式を代表するフィレンチェの画家です。
通称「チマブーエ」と呼ばれ、雄牛の頭といった意味になります。
金地の背景や正面性など、ビザンティン美術の様式が色濃く残っています。
空間の意識や人物の自然な表情など、ルネサンスへと向かっていく過程が見て取れます。
なお、先に紹介したジョットの師とされていますが、真偽はわかっていません。
ノートルダム大聖堂(パリ)
ランス大聖堂
シャルトル大聖堂
まとめ
今回は、ゴシック美術について紹介しました。
ゴシック絵画はそれまでの宗教的で象徴的であった表現から、より人間的なリアリティに向かっていきました。
「ゴシック」はもともと建築様式で使われる用語であるため、建築や彫刻に特性が見られるのも特徴です。
現代で使われるゴシックにおける闇やホラー的な印象は、文学やロックなどを起因としています。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
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