絵画の表現主義とは?代表的な画家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】

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  • 表現主義について簡単に知りたい
  • 表現主義とドイツ表現主義って違うの?
  • 表現主義の代表的な画家を知りたい

上記のようなお悩みについてお答えします。

芸術の分野では、「表現主義」という用語が使われることがあります。

表現主義についてなんとなくのイメージはあるけれど詳しくはわからない、という人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、表現主義についてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで表現主義の理解が深まり、アートをより一層楽しめるようになります。

目次

表現主義とは

表現主義を一言でいうと「内面の感情を表現するもの」です。

絵画にかぎらず文学・映画・演劇・建築などの芸術分野で使われています。

美術史では主に、20世紀初頭にドイツを中心にヨーロッパで起きた芸術運動を指し、「ドイツ表現主義」ともいわれます。

ドイツ表現主義の運動を牽引したグループには、運動の起点となった「ブリュッケ(橋) 」と、ワシリー・カンディンスキーを中心とした「青騎士」があります。

感情を反映する表現主義は、それまで中心であった物事の外見を描写する印象主義とは対照的な芸術表現でした。

英語で見ると「表現主義(Expressionism)」と「印象主義(Impressionism)」で言葉上でも対立しています。

1920年代にはベルリンを中心に各分野で大きなムーブメントとなり、「黄金の20年代」ともいわれています。

表現主義は世界中の前衛芸術に影響を与え、さまざまな発展を遂げていきました。

なお、印象主義(印象派)についてはこちらの記事にまとめています。

表現主義の特徴

表現主義の特徴は、写実的に描くことから離れ、作家の内面世界や感情を反映させることです。

そのため、これといった形式はなく、さまざまな表現が見られます。

たとえば、不安や恐怖を表現したムンクの「叫び」は、表現主義のパイオニア的な作品といえます。

叫び(1893年)

しかし、表現主義という言葉は20世紀以降の絵画に使われることが多く、それ以前に制作された絵画は別に分類される場合もあります。

また、表現主義の画家は、後期印象主義のゴッホやフォーヴィスムから影響を受けているのも特徴といえるでしょう。

表現主義の代表的な画家や作品

表現主義で活躍した画家は数多くいますが、こちらでは代表的な3名の画家を紹介します。

エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナー

街(1913年)

エーリッヒ・ヘッケル、カール・シュミット=ロットルフらと「ブリュッケ(橋)」を結成した、ドイツ表現主義の代表的な画家です。

反社会的なモチーフを好んで描いており、ナチス・ドイツに「退廃芸術」とされたことを苦に拳銃で自決してしまいます。

ワシリー・カンディンスキー

即興 渓谷(1914年)

ロシア出身の画家・美術評論家で、抽象絵画の先駆者といわれています。

「青騎士」はカンディンスキーを中心にしたグループで、フランツ・マルクやパウル・クレーなどが所属していた。

エゴン・シーレ

自画像(1912年)

オーストリアの画家で、クリムトに師事し、独自の表現を確立していきます。

ゴッホから影響を受けており、捻じ曲げられた人物画や性的なモチーフなど、強烈な個性を表現しました。

まとめ

今回は、表現主義について解説しました。

ドイツを中心に起きた芸術運動で、絵画にかぎらず芸術分野に広く普及しました。

それまで現実に則して描くことが主流であった印象主義に対し、表現主義は内面を反映させるのが特徴です。

表現主義は20世紀の芸術家に大きな影響を与え、発展していきました。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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