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トロンプ・ルイユとは?代表的な画家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】
- トロンプ・ルイユについて簡単に知りたい
- トロンプ・ルイユが登場した背景が知りたい
- トロンプ・ルイユの代表的な作品を知りたい
上記のようなお悩みについてお答えします。
美術分野には「トロンプ・ルイユ」という用語があります。
トロンプ・ルイユとはいわゆる「だまし絵」のことで、現在では「トリックアート」とも呼ばれる絵画技法です。
今回は、トロンプ・ルイユの歴史や特徴についてわかりやすく解説します。
この記事を読むことで「トロンプ・ルイユ」の理解が深まり、より一層アートを楽しめるようになるでしょう。
トロンプ・ルイユとは
トロンプ・ルイユとはフランス語で「目をだます」という意味で、古くから用いられている目の錯覚を利用した絵画技法です。
20世紀のシュルレアリスムにおいてよく使われた技法ですが、15世紀には絵画に用いられ、16~17世紀に入るとヨーロッパを中心に大きく展開しました。
トロンプ・ルイユは対象物を精密に描き、実際には存在していないものを現実に存在しているように感じさせます。
たとえば、壁や床に存在しない扉や窓を描いたり、額縁から人物の一部や物が飛び出しているように見えたりと、立体的な空間を再現します。
トロンプ・ルイユの様式は幅広く、絵画だけでなく建築物や舞台装置などにも効果的に使われています。
トロンプ・ルイユの特徴
トロンプ・ルイユは、対象物を緻密に描写することで実際にないものを存在するように描くのが特徴です。
実際の空間よりも広く見せる効果を使い、演劇の舞台装置や建築物の装飾、教会の天井画などにも用いられています。
見た目の意外性を楽しむ目的とは別に、二次元の平面に三次元を再現するリアリズムを追究する姿勢も見られます。
20世紀に入ると、ダリやマグリット、エッシャーなどのシュルレアリスムの画家によって効果的に使われました。
日本では浮世絵にも用いられ、小さな人物が寄り集まってひとりの人物を表現した歌川国芳の寄せ絵が有名です。
トロンプ・ルイユの代表的な画家や作品
トロンプ・ルイユの代表的な画家や作品について紹介します。
コルネリス・ノルベルトゥス・ヘイスブレヒツ
17世紀にヨーロッパで活躍した画家です。
ヘイスブレヒツはヨーロッパの国々を転々としながら、トロンプ・ルイユの作品を数多く残しています。
アトリエの壁にギターや狩猟道具が掛けられている作品や裏返されたキャンバスなど、目の錯覚を利用した手法を追究しました。
ヘイスブレヒツのトロンプ・ルイユの作品は、デンマークのコペンハーゲン国立美術館にも所蔵されています。
ジュゼッペ・アルチンボルド
アルチンボルドは、16世紀に活躍したイタリアの画家です。
ウィーンにてフェルディナント1世の宮廷画家となり、宮廷の装飾や衣装のデザインも手がけました。
緻密に描いた野菜や果物、直物などで構成した風変わりな肖像画を描いた画家です。
「ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世」は亡くなる少し前に完成した傑作で、ルドルフ2世はこの肖像画を大変気に入ったといわれています。
ペレ・ボレル・デル・カソ
ペレ・ボレル・デル・カソは、19世紀に活躍したスペイン人の画家・彫刻家です。
主に肖像画を描き、1878年にはパリ万国博覧会にも参加しています。
自身の私立美術学校で絵画を教え、彼の2人の子どもも画家として活躍しました。
まとめ|目の錯覚を利用して芸術性や絵画表現を高めたトロンプ・ルイユ
今回は、トロンプ・ルイユについて紹介しました。
トロンプ・ルイユは目の錯覚を利用した絵画技法で、現在では「トリックアート」とも呼ばれています。
古くから使われている手法で、建築物の装飾や舞台装置などに用いられているのも特徴です。
実際には存在していないものの存在感を表現する精密な描写は、リアリズムの追究にもつながります。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
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