※当サイトは商品プロモーションを含む場合があります。
ジャポニスムとは?代表的な画家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】
- ジャポニスムについて簡単に知りたい
- ジャポニスムが登場した背景が知りたい
- ジャポニスムの影響を受けた画家や作品を知りたい
上記のようなお悩みについてお答えします。
美術史には「ジャポニスム」という用語がよく登場します。
浮世絵が西洋で流行したことは知っているけれど詳しくはわからない、という人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ジャポニスムについてわかりやすく解説します。
この記事を読むことでジャポニスムの理解が深まり、より一層アートを楽しむことができます。
ジャポニスムとは
ジャポニスムとは、19世紀の開国に伴って西洋で流行した日本趣味や芸術運動を指します。
黒船来航によって商船が押し寄せ、日本の工芸品や美術品などが数多く輸出されたことでたちまち話題を集めます。
とくにパリを始めとするヨーロッパでは、それまで見たことのなかった着物や陶磁器などに魅了され、ジャポネズリ(日本趣味)が大流行します。
1862年のロンドン、1867年のパリ、1873年のウィーン万国博覧会への参加によって、日本美術だけでなく服装や建築、生活様式に至るまでが人々の興味を引き大ブームとなります。
また、西洋美術にはない浮世絵版画の大胆な構図や表現技法は、モネやゴッホなど当時の芸術家たちに多大な影響を与えました。
ジャポニスムの特徴
それまでの西洋美術では遠近法や陰影を用いて細部を描写し、対象を立体的に描くことが良しとされていました。
一方、浮世絵は輪郭が線で描かれ、平面的で鮮やかな色使いなど、正反対ともいえる美術様式です。
写実性を重要視する西洋アカデミーからすれば、線で構成されていること自体が斬新で、背景全体が地面や床になったり画面を斜めに区切ったりと、とにかく自由で大胆な発想で描かれています。
西洋で活動していた当時の芸術家たちは衝撃を受け、高い関心を持って日本美術の技法を研究し、制作に取り込んでいきます。
ゴッホやモネ、ロートレックやルノワールなど、数多くの画家たちの作品にジャポニスムの影響が見られます。
ジャポニスムの影響が見られる画家や作品
ジャポニスムの影響を受けた画家は世界中に数多くいます。
なかでも浮世絵の技法や美術様式などが見られる画家や作品を紹介します。
フィンセント・ファン・ゴッホ
ゴッホは日本の美術様式から多大な影響を受けた画家のひとりです。
明るい色彩や大胆な構図、はっきりとした輪郭線など、浮世絵の技法を取り入れた作品を数多く描いています。
上記のように浮世絵の模写も多く残されています。
クロード・モネ
印象派を代表するクロード・モネの作品「ラ・ジャポネーズ」です。
モデルは最初の妻であるカミーユ・ドンシューで、1876年の第2回印象派展に出品され注目を集めました。
モネは日本芸術が好きで、喜多川歌麿や葛飾北斎、歌川広重などの浮世絵を数多く所有していたそうです。
アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック
ロートレックは、日本美術から大きな影響を受けた画家です。
輪郭を線で描き、大胆な構図や鮮やかな色使いなど、浮世絵の技法を取り入れているのが見られます。
浮世絵の木版画に対抗するようにリトグリフ(石版画)を用いて描き、印刷物であったポスターを芸術の域まで高めました。
上記はカフェ・コンセール(音楽喫茶)のために描かれた「ディヴァン・ジャポネ」という作品で、日本語で「日本の長椅子」という意味になります。
まとめ
今回は、ジャポニスムについて紹介しました。
開国により海を渡った日本の工芸品や美術様式は、西洋の人々に大きな影響を与え大流行しました。
芸術分野では浮世絵が衝撃を与え、数多くの著名な芸術家たちが日本美術の技法を取り入れています。
ゴッホやモネなどが残している作品に浮世絵の影響が見られるのは、日本人としてはなんだかうれしいですね。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
-
URLをコピーしました!