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コンセプチュアルアートとは?概念をアートに【5分でわかる美術用語】
- コンセプチュアルアートについて簡単に知りたい
- コンセプチュアルアートが登場した背景が知りたい
- コンセプチュアルアートの代表的な作家を知りたい
上記のようなお悩みについてお答えします。
美術史にはさまざまな用語がよく登場しますが、そのなかに「コンセプチュアルアート」というものがあります。
なんとなくのイメージはあるけれど、具体的にどういう作品を指しているのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、コンセプチュアルアートについてわかりやすく解説します。
この記事を読むことでコンセプチュアルアートの理解が深まり、アートをより一層楽しめるようになります。
コンセプチュアルアートとは
コンセプチュアルアートとは、1960年後半から1970年代にかけて起きた前衛的な芸術運動です。
概念芸術とも呼ばれ、そのルーツは1917年にフランスの芸術家マルセル・デュシャンが制作した「泉」という作品といわれています。
「泉」は、既製品の男子用小便器に「リチャード・マット (R. Mutt)」と架空のアーティスト名をサインした作品です。
デュシャン自身が展示委員をしていたニューヨーク・アンデパンダン展に出品し、結局展示されることはありませんでしたが、美術という概念を根底から覆すような出来事として物議をかもしました。
その後、1960年代になって「コンセプチュアルアート」という言葉が登場します。
コンセプチュアルアートは既存の技術的な芸術から脱却し、概念を直接的に表現する新しい様式としてアート業界を席巻しました。
コンセプチュアルアートの特徴
コンセプチュアルアートの特徴は、批評や分析的な意味合いが強いところにあります。
作品そのものよりも、制作の背景や作家の思想を重要視しています。
美術全体の体制や市場など、見る側も含め、芸術の在り方を問うような美術様式といえるでしょう。
また、近年では、コンセプチュアルアートを含めて「現代アート」と総称されることもあります。
コンセプチュアルアートの代表的な作家
コンセプチュアルアートの代表的な作家を紹介します。
マルセル・デュシャン
20世紀の美術に決定的な影響を与えたフランスの芸術家です。
もともと油彩を描いていましたが、1910年代にコンセプチュアルアートの先駆けとなる既製品をそのまま使う「レディメイド」を発表して以降、絵画を描くことを放棄します。
1915年に通称「大ガラス」という作品の制作に取り掛かりますが、1923年に未完のまま放棄し、以降作品をつくることはほとんどありませんでした。
チェスの名手としても有名で、「芸術を捨てた芸術家」ともいわれていましたが、本人は芸術家といわれることを嫌っていたそうです。
ジョセフ・コスース
コンセプチュアルアートを代表するアメリカの芸術家です。
コスースの有名な作品に「椅子」「椅子の写真」、辞書に記載された「椅子の項目」の3つを展示した「1つおよび3つの椅子(One and Three Chairs)」(1965年)があります。
また、哲学から影響を受けており、「哲学以後の芸術」といった著書も発表しています。
日本ではクイーンズスクエア横浜ステーションコア内に、コスースによる巨大モニュメント「The Boundaries of the Limitless」があります。
河原温(かわらおん)
河原温は日本のコンセプチュアルアートの第一人者として、海外でも高い評価を得ている美術家です。
1965年からニューヨークを拠点に活動し、単一色に塗られたキャンバスに制作日付だけを描いた「日付絵画(Today Series)」があります。
日付絵画は午前0時から24時間以内に終了しなけらばならず、完成しなかった作品は破棄されました。
1966年から制作し始め、同じ形式で21世紀まで制作し続けました。
まとめ
今回は、コンセプチュアルアートについて紹介しました。
コンセプチュアルアートは概念芸術ともいわれ、作家の思想や制作背景が重要視されています。
既存の芸術の在り方など美術全体に対して、見る者に問う芸術ともいえるでしょう。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
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