アクリル画で下地に色をつける理由とは?種類や効果について解説

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  • なぜ下地に色をつけるのか理由が知りたい
  • 有色下地にすることでどんな効果が得られるのか知りたい
  • 下地に何色を塗ったらいいのかわからない

上記のようなお悩みについてお答えします。

アクリル画を描くときに、下地剤を塗布すると絵の具の定着や発色が良くなります。

市販のキャンバスの多くは白色で処理されていますが、描く絵によっては色をつけた方が良い場合があります。

そこで今回は、下地に色をつける理由や効果についてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、下地に使う色に迷わず効果を活かした作品制作ができるでしょう。

目次

有色下地とは

「東方三博士の礼拝」(1481年)
レオナルド・ダ・ヴィンチ, Public domain, via Wikimedia Commons

有色下地とは「インプリマトゥーラ」とも呼ばれ、文字通どおり色のついた下地のことを指します。

16世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチも使っていた、古くからある絵画技法のひとつです。

色によって得られる効果は変わりますが、先に色をつけておくことで作業の効率化を図れます。

絵の明暗は基本的に「暗い色」「中間色」「明るい色」に分けられます。

下地に色をつけると「中間色」から描き始められるため、「暗い色」も「明るい色」もつけやすくなるのが利点です。

下地の色の種類と効果

有色下地は選ぶ色によって印象や色調などが異なるため、仕上がりに違いが生じます。

こちらでは、下地色の種類や得られる効果について紹介します。

白色の下地

白色の下地は、発色が鮮やかでシャープな印象の画面をつくれます。

有色下地に比べると下地が明るいため、描き始めは色調のコントラストが大きくなります。

絵の具の原色を生かしたい場合は、白色の下地は効果的です。

また、下地の白を「ハイライト」としても使えます。

暖色系の色

赤茶色やオレンジなどの暖色系の下地は、暖かみのあるやわらかい印象の仕上がりになります。

下地を濃く暗い色にすると、落ち着いた雰囲気の画面になります。

暖色系の下地は風景画や人物画などのジャンルやモチーフを選ばず、幅広く利用できるのも利点です。

また、絵の具の色は常に下にある色に影響される性質があります。

そのため、暖色系の色を塗り重ねたり、仕上げたい色の補色を下に使ったりすることで色味に深みを出せます。

寒色系の色

寒色系は、青や青緑など青系の色を指します。

寒色を下地にすることで、爽やかでクールな印象になります。

少し冷たい雰囲気にしたいとき、寒さや渋い感じを表現したいときに効果的です。

たとえば、人物の内面を表現したい場合に、青白さを残すことで苦悩や葛藤などが感じやすくなるでしょう。

黒やグレーなどの無彩色

黒やグレーなどの無彩色は、油絵でもよく使われる有色下地です。

黒い下地にグレーのみで立体感を描写する「グリザイユ」という技法にも用いられます。

光と影の対比を使って対象を立体的に描き、彩色することで、重厚感のある仕上がりになります

なお、市販されている黒色のジェッソは、もともと画家たちの要望によって生まれた下地材です。

有色下地を使うメリット

「荒野の聖ヒエロニムス」(1480年頃)
レオナルド・ダ・ヴィンチ, Public domain, via Wikimedia Commons

有色下地を使うことで、明暗の描き分けがしやすくなります。

下地にローシェンナやイエローオーカーなどを使うと、簡単に中間色をつくれます。

中間色から始めると色を重ねやすくなるだけでなく、下地の色をそのまま生かすことも可能です。

また、有色下地の上から透明色や半透明色を塗り重ねることで、深みのある色調をつくれます。

絵の具を混色して塗った場合とは異なる、複雑な色味やニュアンスを表現できるのも有色下地ならではです

表現したい世界観に合わせて下地の色を選ぶことで、より豊かで美しい仕上がりを目指せます。

まとめ

今回は、下地に色をつける理由や効果について解説しました。

市販のキャンバスの多くは、白色で下地処理されています。

下地に色をつけておくことで作業効率が図れ、深い色調や細かなニュアンスを得られます。

ローシェンナやローアンバー、イエローオーカーなどの暖色系は、幅広い表現に対応するため使いやすいでしょう。

下地材のジェッソについては、こちらの記事でまとめています。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。

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