絵画の象徴主義とは?代表的な画家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】

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  • 象徴主義について簡単に知りたい
  • 象徴主義が登場した理由が知りたい
  • 象徴主義の代表的な画家を知りたい

上記のようなお悩みについてお答えします。

美術史には「~主義」という用語がよく登場しますが、そのなかに「象徴主義」というものがあります。

聞いたことはあるけれど、詳しくはわからないという人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、象徴主義についてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで象徴主義の理解が深まり、アートをより一層楽しめるようになります。

目次

象徴主義とは

象徴主義とは一言でいうと「精神や神秘を象徴的に表現する」というものです。

1870年頃にフランスとベルギーで文学を中心に起きた芸術運動で、音楽、美術などへ普及しました。

この時代は産業革命によって、人々の生活が大きく変わる転換期でした。

機械化による大量生産が進み、物質至上主義の風潮が生まれ、カウンターとして登場したのが「象徴主義」です。

モノではなく、「目に見えない内面や神秘が重要だ」という姿勢です。

また、同時期に「見えるものを描写する」といった逆の思想を持つ「印象主義」も流行します。

印象主義(印象派)については、こちらの記事で解説しています。

象徴主義の特徴

象徴主義の特徴は、不安・苦悩・運命・夢・神秘などを象徴的に表現することです。

象徴的なモチーフとして、神話や文学がよく用いられます。

目に見えない内面を表現するため、画家によって作風が大きく異なり、一貫した表現形態がないのも特徴です。

目に見えないものを追求する象徴主義は、のちのアール・ヌーヴォーやウィーン分離派などの世紀末芸術にも影響を与えました。

象徴主義の代表的な画家や作品

象徴主義で活躍した画家は数多くいますが、代表的な画家について紹介します。

それぞれ作風が大きく異なるのがおもしろいです。

ギュスターヴ・モロー

オルフェウス(1865年)

フランスの象徴主義の先駆的な画家です。

聖書やギリシャ神話などをモチーフに、幻想的な作風を描きました。

「オルフェウス」は「オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘」ともいわれ、ギリシア神話を主題に描かれたものです。

音楽家のオルフェウスの死を見つめる少女の美しい対比が表現されており、モローの代表作として知られています。

オディロン・ルドン

キュクロプス(1914年)

幻想的な世界を描き続けたフランスの画家です。

「キュクロプス」はギリシャ神話をモチーフにしており、ひとつ目の巨人ポリュペーモスが水辺の妖精ガラテイアを愛する様を、独特の表現で描かれた作品です。

初期のころはモノクロの石版画で描いていましたが、後年になって鮮やかな色彩を使うようになりました。

ジョン・エヴァレット・ミレー

オフィーリア(1852年)

19世紀半ばにイギリスで結成された「ラファエル前派」を代表する画家です。

ラファエル前派は象徴主義に先駆けて、独自の発展を遂げました。

「オフィーリア」はシェイクスピアのハムレットをモチーフにした作品で、ミレーの最高傑作ともいわれています。

ラファエル前派についてはこちらの記事にまとめています。

グスタフ・クリムト

接吻(1908年)

ウィーン分離派を代表するオーストリアの画家です。

愛や死、エロスなどの官能的なテーマを描き続けた画家です。

モチーフには宿命の女性を意味する「ファムファタル」を多用し、甘美で妖艶な表現が特徴です。

「接吻」は、金箔を多用した「黄金の時代」と呼ばれる時期に描かれました。

まとめ

今回は、「象徴主義」について解説しました。

象徴主義は、目に見えない精神や神秘を象徴的に表現しているのが特徴です。

機械化による大量生産により、物質主義へと変わる風潮に対するカウンターとして登場しました。

作風は画家によってさまざまなので、象徴主義の作品を見ていくのもおもしろいですよ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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