ロココ美術とは?代表的な画家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】

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  • ロココ美術について簡単に知りたい
  • ロココ美術が登場した背景が知りたい
  • ロココ美術の代表的な画家を知りたい

上記のようなお悩みについてお答えします。

美術史には「ロココ美術」という用語が登場します。

淡い色合いの印象があるけれど詳しくはわからない、という人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ロココ美術についてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで「ロココ美術」の理解が深まり、より一層アートを楽しめるようになります。

目次

ロココ美術とは

ロココ美術とは18世紀にルイ15世のフランス宮廷から始まり、ヨーロッパで流行った美術様式です。

ロココの名称は、貝殻の曲線を用いた建築装飾を指す「ロカイユ」を由来としています。

絶対王権を賛美する豪壮なバロック美術の反動として、軽やかで優美な表現を示したのがロココです。

ロココ美術が広まった背景には、王権が弱まり、貴族や富裕層が力を持ち始めた時代の変化が見られます。

ロココ美術の特徴

ロココ美術は鮮やかな色彩と柔らかい曲線で、優美な世界観を描くのが特徴です。

淡いピンクやブルーなどパステルカラーを用いて、自然や愛、官能的なテーマが好まれました。

宮廷での宴や優雅な庭園など貴族の生活を美しく幻想的に描き、見る人を楽しませる遊び心が見られます。

ルイ15世の公妾であったポンパドゥール夫人が開いたサロンの文化と共にロココ美術は広がり、建築や家具にも波及しました。

ロココ美術の代表的な画家や作品

ロココ美術の代表的な画家や作品を紹介します。

アントワーヌ・ヴァトー

「シテール島の巡礼」ルーヴル美術館 https://w.wiki/DCSz

ヴァトーは、18世紀フランスのロココ様式の先駆的な画家です。

宗教画や風俗画を描いていたヴァトーは、1717年に完成した「シテール島の巡礼」で王立アカデミーへの入会が認められます。

それまでの歴史画や風俗画とは異なる「雅宴画(フェート・ギャラント)」というジャンルを確立しました。

36年という短い生涯の中で、優美なロココ美術を数多く制作しました。


フランソワ・ブーシェ

『ヴィーナスの化粧』1746年 https://w.wiki/DCTq

ブーシェは、ロココを代表するフランスの画家です。

刺繍の装飾家であった父親より、幼いときから絵画の手ほどきを受けたとされています。

1734年に「リナルドとアルミダ」でアカデミーの正会員になり、後に院長の座に就きました。

官邸画家としても活躍し、高い評価を得ていた画家です。

軽やかで官能的なブーシェの絵は人気を博し、上流階級の肖像画・神話画・風俗画など数多くの作品を残しています。

ジャン・オノレ・フラゴナール

「ぶらんこ」1768年 https://w.wiki/DCUF

フラゴナールは、ロココ時代の最後を飾ったフランスの画家です。

ブーシェに師事しており、アカデミー主催のコンクールであるローマ賞を20歳で受賞するほどの画力を有していました。

1768年に描かれた「ぶらんこ」はロココ後期の代表作で、サン=ジュリアン男爵からの依頼で製作されています。

ビンク色のドレスをまとった若い女性が、薔薇の咲く庭園でスカートの中が見えるほどの勢いでぶらんこをこいでいます。

肘をついて下からのぞく男性は依頼主の男爵で女性は愛人といわれており、後ろに描かれたキューピッドの石像にはセクシュアルな意味が含まれています。

当時の自由な恋愛を楽しむ風潮を、下品にならない巧みなバランスで優美に描いた作品です。

まとめ|ロココ美術は軽やかで遊び心を含んだ優美な様式

今回は、ロココ美術について紹介しました。

ロココ美術は、鮮やかな色彩と柔らかい曲線で優美に描くのが特徴です。

王権を誇示するようなバロック美術に対して、貴族や上流階級の日常を軽やかに遊び心を含んで描きました。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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