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フォーヴィスムとは?代表的な画家や作品も紹介【5分でわかる美術用語】
- フォーヴィスムについて簡単に知りたい
- フォーヴィスムが登場した背景が知りたい
- フォーヴィスムの代表的な画家を知りたい
上記のようなお悩みについてお答えします。
美術史にはさまざまな用語が登場しますが、そのなかに「フォーヴィスム」というものがあります。
見聞きする機会の多い用語だと思いますが、詳しくはわからないという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、フォーヴィスムについてわかりやすく解説します。
この記事を読むことでフォーヴィスムの理解が深まり、アートをより一層楽しめるようになります。
フォーヴィスムとは
フォーヴィスムとは20世紀初頭にフランスで起こった絵画運動で、野獣派やフォーヴとも呼ばれています。
1905年にパリで開催された展覧会サロン・ドートンヌにて、原色を多用した強烈な色彩と激しいタッチの作品群が展示されていました。
それらを見た批評家のルイ・ボークセルが「野獣(フォーヴ)の檻の中にいるドナテロ(彫刻家)のようだ」と評したことが、「フォーヴィスム」という呼称の由来といわれています。
フォーヴィスムの荒々しい画風は、ゴッホやゴーギャン、セザンヌなどの後期印象派の画家たちの影響が見られます。
直接的な影響を与えたのは、当時の官立美術学校の教授であった象徴主義の画家ギュスターヴ・モローによるものです。
運動の中心人物であったアンリ・マティスやアンドレ・ドランもモローに学んでいます。
フォーヴィスムの運動は1907年ごろまでの数年で終わり、それぞれの表現を追求していきましたが、前田寛治や佐伯祐三など日本の画家たちにも影響を与えました。
象徴主義についてはこちらの記事にまとめています。
フォーヴィスムの特徴
フォーヴィスムの特徴は、感覚や感情を色彩で表現することです。
目に映る色彩ではなく、画家が心に感じたものを強烈な色彩と激しいタッチで描写します。
原色を多用した明るい画面で、躍動感やのびのびとした雰囲気が感じられます。
「色彩それ自体に表現がある」というのが、フォーヴィスムの思想といえます。
フォーヴィスムの代表的な画家や作品
フォーヴィスムの代表的な画家や作品を紹介します。
アンリ・マティス
フォーヴィスムの中心人物であり、大胆な色彩の作品を次々と発表しました。
その後は、色彩の激しさが抑えられた画風に変わっていきます。
自然をこよなく愛し「色彩の魔術師」ともいわれる、20世紀を代表する画家のひとりです。
アンドレ・ドラン
ドランはフォーヴィスムの指導的な役割を担っていました。
その後は、ピカソがいたことでも有名な洗濯船の画家たちとも交流します。
絵画ではさまざまなモチーフを描き、バレエやオペラの舞台装飾も手掛けています。
モーリス・ド・ヴラマンク
ヴラマンクは伝統や服従を嫌う自由主義者でした。
自分の才能以外を信じず、絵画の教育も拒否し、ほぼ独学で多くの作品を描いた画家です。
第一次世界大戦後はフォーヴィスムから離れ、風景画や静物画を描き、執筆活動も行いました。
まとめ
今回は、フォーヴィスムについて紹介しました。
原色を多用した明るい色彩と荒々しいタッチで、写実性よりも感覚に重きを置いています。
フォーヴィスムの運動はわずか数年の短い期間でしたが、その後の美術に影響を与えました。
日本では、前田寛治、佐伯祐三らにより日本的な新しいフォーヴィスムとして「1930年協会」が結成されています。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
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